現代の子どもは室内での遊びが多くなり、運動する機会が少なくなったと言われています。
外で遊ぶ環境も減っているため、子どもの体力低下が心配されていますが、そもそも幼児期に運動するのにはどのような目的があるのでしょうか。
今回は、幼児期に運動する目的や体操教室でできること、目的に応じた体操教室の通い方などをご紹介します。
幼児期に運動をする目的
幼児期に運動を行う目的は運動能力の向上やけがの防止のほか、精神面の成長などがあります。
目的その1:運動能力の向上
子どもの運動能力が伸びる時期は「ゴールデンエイジ(黄金期)」と呼ばれ、4~8歳のプレゴールデンエイジ期と、9~12歳頃のゴールデンエイジ期の2つがあります。
この時期の運動習慣で体力と運動能力に差がつくとされています。
運動はスポーツに限らず、鬼ごっこやボール遊びなど、幼児期から体を動かす遊びを経験しておくことで運動能力の発達が期待できます。
目的その2:けがをしにくくなる
運動により体をコントロールできるようになると、新しい動きを覚えやすくなるだけでなく、けがを防げるようになります。
運動機能の向上と共に柔軟性も増し、けがをしにくいしなやかな体を作れます。
目的その3:心の成長にもつながる
運動は身体機能だけでなく、精神的な成長にもつながる点が重要です。
そのなかでも運動で特に大きく伸ばせるのは「勇気」「行動力」「自信」の3つです。
・勇気
運動をしていると乗り越えなければならないさまざまな障壁や、課題が立ちはだかります。
こうした試練に直面したとき、自分でチャレンジしていこうとするためには勇気が必要です。
特に体操教室で習う跳び箱や鉄棒、マットなどは挑戦するのに恐怖心と戦わなければならない場合があります。
恐怖心に対して勇気をもってチャレンジし、クリアできたとき、大きな心の成長につながります。
・行動力
試練に直面したときだけでなく、ここぞというときに自分で動けるか、とういことはスポーツの勝敗を左右する重要な要素となります。
これはスポーツ以外のさまざまな場面で必要になり、運動で行動力を養っておくと、人生のあらゆる場面で役立ちます。
・自信
子どもの成長において自信を付けることは欠かせない要素です。
勇気をもって小さなチャレンジに成功すればそれが自信につながり、次のチャレンジにつながります。
自信があれば多少の失敗でもくよくよせず、次の挑戦につなげていけるだけでなく、初めて直面する体験でも臆することなく行動していけるでしょう。
体操教室で習う種目
体操教室にもさまざまな種類がある
体操教室と一口に言ってもさまざまな教室があります。
器械体操を中心とした体操競技を専門に教えている教室もあれば、新体操競技を教えている教室もあります。
また、バク転教室のような、バク転ができるようになることを目的としている体操教室もあります。
一般的な体操教室の種目
一般的な幼児体操教室では、子どもに楽しく運動をしてもらう目的で行っているところが多いでしょう。
器具を用いない種目ではストレッチやリズムに合わせたダンス、簡単なかけっこなどを行います。
器具を用いる種目ではマット、跳び箱、鉄棒、平均台といった器械体操や、縄跳び、ボール運動などを行います。
これらは小学校の体育でもよく取り組む種目ですので、早めに得意になっておき、自信を持てるようになります。
体操教室ではこれらの種目を行いながら子どもの運動能力を養っていくことを目的としています。
体操教室で身に付く効果
体操教室では主に運動能力、非認知能力、自己肯定力の3つの能力が伸ばせます。
運動能力
走る、跳ぶ、投げるなどの基本的な動作をさまざまな種目を通じて学べます。
子どもの外遊びの機会が減るなか、さまざまな動きを学ぶ経験は、将来ほかのスポーツに挑戦するときに役立ちます。
非認知能力
教室で出会うほかの生徒さんと接することで、体操教室の学習で得られる認知能力だけでなく、コミュニケーション能力や協力する心、やり抜く力といった非認知能力を伸ばせます。
自己肯定力
初めてのことにチャレンジし、成功体験を積むことで自己肯定力を身につけられます。
挑戦を重ねるうちに自分に自信を持てるようになります。
目的別体操教室の通い方
体操教室は目的によって通い方はさまざまです。
まずは目的を明確にし、どのような通い方が良いか検討してみると良いでしょう。
長期的に習わせたい
体操教室に長期的に通うメリットは、定期的に運動する機会を設け、基本的な運動だけでなく、難しい技にもチャレンジしていけるということです。
先生やほかの生徒さんと長い期間運動を一緒に行うことで、環境になじむ期間を十分に取れるため、人見知りの子どもにも向いています。
長期的に習うことが目的の場合は教室の通いやすさや教室と子どもとの相性をしっかりと見ておくことも大切です。
夏休みなど短期で習わせたい
夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用して体操教室に通いたい場合は、短期集中教室を開催している体操教室を選ぶと良いでしょう。
短い時間で集中して取り組めるので、一定の技ができるようになる場合もあります。
まずは体験させてみたい
まずは体操教室を体験させてみたいという場合は、各教室が行っている体験レッスンに参加してみると良いでしょう。
教室によっては体験イベントが開催されていることもあります。
体験レッスンでは子どもと教室の相性をチェックしておくとその後の教室選びに役立ちます。
ほかのスポーツのフォロー目的で通わせたい
既にほかのスポーツに取り組んでおり、そのフォローの目的で体操教室に通わせたい場合、技術の習得ができる環境かどうか、目的に合った運動ができるかどうかを事前にチェックしておきましょう。
体操教室は子どもにとってメリットが多い
体操教室で運動の機会を設けると、運動能力だけでなく、けがの予防ができたり、精神面の成長、コミュニケーション能力の向上など、さまざまな効果が期待できます。
教室探しの際は、通いやすさや子どもとの相性、何歳くらいまで通うつもりなのか、などを考慮して比較検討すると失敗が少なくなります。
気になる体操教室がある場合は体験レッスンや、短期集中講座に行って実際に雰囲気を見てみるのがおすすめです。