体育の授業が好きな子どもがいる一方で、体育が苦手、嫌いという子どもも少なくないでしょう。
体を動かすことは体力や運動能力を向上させるためだけでなく、さまざまな効果やねらいがありますので、体育の授業にプラスして体操教室などを活用すると運動への苦手意識を軽減したり、チャレンジ精神を育んだりと多くの効果が期待できます。
ここでは体育の授業のねらいとはどのようなものなのか、体操教室に通うことでどのような効果があるのか、ご紹介します。
学校の体育の授業のねらいとは
体育の授業のねらい
体育のねらいは文部科学省によれば「体育は、すべての子どもたちが、生涯にわたって運動やスポーツに親しむのに必要な素養と健康・安全に生きていくのに必要な身体能力、知識などを身につけることをねらいとするものである」としています。
このような観点から、体育の授業を通じて子どもたちに身体能力、態度、知識・思考・判断などを身につけさせることを目的としています。
生涯にわたって運動に親しむことが目標
また、小学校の学習指導要領における体育科の「1教科の目標」には
「体育や保健の見方・考え方を働かせ、課題を見つけ、その解決に向けた学習過程を通して、心と体を一体として捉え、生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力」を育成することを目指す、としています。
つまり、運動に親しむことで生涯にわたって心身の健康を維持・増進することを目標としています。
体操教室のレッスン内容
体育の大きな目的は運動に親しみ、生涯にわたって心身の健康を維持することですが、子どもにとって体育の授業は恐怖心を感じたり、抵抗があったりする場合もあります。
子どもの成長や運動能力に合わせて体を動かすことをサポートするのに役立つのが体操教室です。
では、体操教室では実際にどのようなレッスンを行うのでしょうか。
体操教室のレッスン内容は年齢によって異なります。
体操教室によってもレッスン内容は大きく異なりますが、ここでは一般的な年齢別のレッスン内容をご紹介します。
何歳から通い始めるのがおすすめ?
体操教室によっては0歳からベビークラスのレッスンを受けられる教室もあります。
しかし、一般的には3~4歳から始める方が多く、体操教室も3歳から受け入れている教室が多くあります。
その理由には
・先生の話を聞いて内容を理解できる
・乳児期に比べて体力も上がりできる運動の幅が広い
という点が挙げられます。
体操教室は何歳から始めても問題ありませんが、検討している場合は3~4歳ごろから始めるのがおすすめです。
乳児(0~2歳)のレッスン内容
0~2歳頃までの乳児向けレッスンの内容は体を動かす、楽しむという点が大きなねらいです。
赤ちゃん向けレッスンでは主に親子で身体を揺らしたり手遊びをしたり、体を動かすことを楽しむレッスンが中心です。
歩けるようになるとレッスンの内容も変わり、音楽に合わせて体を動かしたりジャンプしたりもしていきます。
基本的には保護者の方と一緒に体を動かし、ふれあいを楽しむのが乳児向けレッスンです。
幼児(3~6歳)のレッスン内容
3~6歳の幼児向けレッスンのねらいは基礎体力の強化です。
跳び箱やマット、かけっこなど、多くの種目に挑戦します。
幼児期は運動神経を育むうえでも重要な時期ですので、この時期にさまざまな運動に挑戦し、楽しく体を動かしながら運動能力を育てていきます。
他者との関わりを持てる年齢になってきますので、先生の話を聞いたり、仲間と協力して運動に取り組んだりと、社会性も培うことができます。
小学生(7歳~)のレッスン内容
小学生になるとレッスンは本格的になり、小学校の体育の授業に近い内容のレッスンが中心となります。
マットや跳び箱、鉄棒などの器械体操を中心に、高度な技にも挑戦していきます。
小学生以降は親と離れてレッスンを受けるのが一般的です。
子ども同士で協力して準備や後片付けを手伝ったりしながら、運動以外でもコミュニケーションを取ったり人と協調することを学びます。
体操教室で得られる効果
基礎体力がつく
体操教室の最大のメリットは基礎体力の向上です。
基本的な運動をバランスよく繰り返し行うことで基礎体力がつきます。
外遊びだけでは偏りがちな運動も体操教室でさまざまな種目に挑戦することで、運動能力を向上させていくことが可能です。
体育の授業の苦手意識がなくなる
体操教室では、保育園や幼稚園、小学校の体育で取り組む内容を中心にレッスンを行います。
体育は怖いから苦手、という子どもが多いですが、体操教室ですでに習っている内容であれば恐怖心もなく自信を持って挑戦できます。
特に日常生活では触れることのない跳び箱などは体操教室で習得しておくことで恐怖心を和らげ、体育の授業への苦手意識を軽減します。
けがをしにくくなる
体操教室では運動の基礎を学びます。
さらにバランスや柔軟にも取り組むため、関節が柔らかくなりけがをしにくい身体づくりに役立ちます。
運動が好きになる
体操教室に通い、子どもの頃から体を動かす習慣をつけることで、上手にできるようになり自分に自信を持てるようになります。
得意なことが増えることで運動が好きになり、楽しいから体を積極的に動かす、という循環が生まれるでしょう。
体を動かす習慣は大人になってもメリットが多くあります。
運動が好きになることは長く運動を続けるための基礎となります。
交友関係が広がる
体操教室には同じ保育園・幼稚園、学校のお友達以外にもさまざまな子どもが集まります。
また、同学年の子どもだけでなく、年齢の離れた子どもも一緒にレッスンを受けることもあります。
レッスンを通して幅広い交友関係が生まれ、子どもにとっても良い刺激となります。
チャレンジ精神が育まれる
体操教室で学ぶと今までできなかった運動ができるようになっていきます。
できるようになった喜びと達成感から、さらにレベルの高いことにチャレンジしてみたいという気持ちが生まれます。
チャレンジ精神を育むことで、自分から「やってみたい」「できるようになりたい」といった積極性も出てきます。
何にでもまずは挑戦してみたいという気持ちは大人になって社会生活を送るうえでも重要です。
運動はさまざまな効果が期待できる
幼児期に体を動かすことは身体能力の向上だけでなく、協調性やチャレンジ精神を育てるなど、心身共にさまざまな効果が期待できます。
近年、子どもが運動する機会が減っており、体育の授業を苦手と感じる子どもも少なくありません。
運動する機会を増やし、苦手意識を軽減するために、体操教室を利用するのも1つの方法です。