体操教室ではマットや跳び箱、鉄棒、平均台など
小学校の体育の授業で行う種目を習います。
中でもマット運動はさまざまな運動能力を鍛える上でも最適です。
そこで、子どもがマット運動で育つ能力や
体操教室で習うマット運動はどんなものかご紹介します。
マット運動で育まれる能力
マット運動では両手と両足、背中やお尻を使って体を支えたりはね返したりします。
全身を使って色々な動きをすることでさまざまな能力を育みます。
調整力
倒立や側転、回転などではバランス感覚を必要とします。
身体の傾きや力のかけ方を感じ、修正する力が調整力です。
平衡感覚や空間認識力も調整力の1つです。
自分の身体の傾きや状態を感じ、姿勢を調整することでさまざまな技ができるようになります。
調整力を鍛えていくことで、脳と神経・筋肉の連携が素早く正確になっていきます。
柔軟性
マット運動を始めとした体操では柔軟性が不可欠です。
柔軟性は「関節の可動域」と「筋肉と腱の伸び」で決まります。
体操教室では柔軟体操をしっかりと行うことで柔軟性を養い、しなやかな筋肉と腱を作ります。
身体の柔らかさは怪我のしにくさにもつながり、日常生活でも有効です。
機敏性
マット運動では身体を動かしながら次の動作をするために準備をしなければなりません。
例えば前転では回りながら足を揃えて床を蹴って起き上がる準備をしたり
高度な技になると助走をして手を付き、回転しながら足を揃えるなど
さまざまなことを瞬間で準備していきます。
機敏性は体操だけでなく、ボール運動や陸上競技などでも必要されます。
幼児期にマット運動で機敏性を身につけておくと
さまざまなスポーツに取り組んでいく上で有利になります。
筋力・筋持久力
筋力とは筋肉が収縮するときに発揮する力
筋持久力とは長い時間筋肉が繰り返し収縮できる能力のことを言います。
自分の身体を支えたり、起き上がったりすることで筋力と筋持久力を高めることができます。
背支持倒立やマットの上で床や物を押す運動は一気に筋肉に負荷をかける「筋力」と
筋肉に負荷をかけ続ける「金持久力」両方を鍛えます。
瞬発力
瞬発力とは瞬間的に発揮される筋力のことです。
運動能力テストでは「垂直跳び」で測りますが、球技、陸上競技、水泳など、すべてのスポーツで必要な能力です。
マット運動はマットを適切なタイミングで押したり蹴ったりしないと成功しません。
さまざまな技や動きに挑戦しながら適切なタイミングでマットを手や足で押すことを学び、瞬発力を鍛えていきます。
体操教室で行うマット運動の種類
マットを使った運動は転回、倒立、宙返りが中心です。
簡単なものから挑戦していき、達成の喜びを味わいながら徐々に難しい動きができるようになっていきます。
体操教室では、小さなお子様でもできる簡単な動きから挑戦していき
それぞれのお子様のペースに合わせて少しずつレベルアップしていきます。
前方回転系
前方に転がって回転する技です。
ゆりかご、前転、開脚前転、伸膝前転、跳び前転、倒立前転などに挑戦します。
後方回転系
後方に転がって回転する技です。
ゆりかご、後転、開脚後転、伸膝後転、後転倒立などに挑戦します。
倒立系
腕や背中などで身体を支える技です。
背支持倒立、三点倒立、倒立、側転などに挑戦します。
宙返り系
腕で身体を支えたり、足で地面を蹴って一回転する技です。
前方宙返り、後方宙返り、側方宙返りなどに挑戦します。
マット運動には幼児でもできる簡単なものから大技まで幅広い技があります。
最初はころころ転がったり揺れたりして身体の使い方を覚えながら頭が下になる回転する技を習得していきます。
大きな技も段階を経て習いますので恐怖感を感じずに習得することができます。
体操教室の種類
一口に体操教室といってもお教室によって内容は大きく異なります。
器械体操中心の体操教室や学校の体育の授業に近い内容の運動を行う体育教室、受験用の幼児教室などさまざまです。
それぞれの特色を理解してお教室選びをするとお子様にぴったりのお教室を見つけやすくなります。
体育教室
体育教室では小学校の体育の授業と同じような内容の運動を行います。
マット運動や跳び箱のような器械体操のほか、柔軟体操、かけっこ、縄跳び、ボール運動などを行い
基礎的な運動能力を身につけます。
また、お友達と協力して身体を動かすこともあり、コミュニケーション能力や協調性を育みます。
器械体操
マット、跳び箱、鉄棒、平均台など、器械体操と柔軟、バランス等を中心に行うお教室です。
お子様ひとりひとりの能力とペースに合わせてできる技を増やしていきますので
着実にステップアップしていくことができます。
中には小学校低学年でも高度な跳び技ができるようになったり、お教室によっては
中学・高校まで本格的に体操に取り組むことができるお教室もあります。
新体操
新体操はボール、フラフープ、リボン、棒などの手具を使い音楽に合わせて演技をする体操です。
女の子に人気のお教室で、柔軟性やリズム感、表現力などを身につけることができます。
ただ、新体操はお教室自体が多くないというデメリットもあります。
運動神経の発達には早い時期に身体を動かすことが大切
子どもの運動神経の発達のためには
できるだけ早い時期から全身を使った運動を行うことが重要であると言われています。
3歳~8歳の「プレゴールデンエイジ」と呼ばれる時期には
脳の成長が90%以上に達し、頭と身体両方が急速に成長する時期です。
この時期に「走る」「跳ぶ」「回る」といった基本動作を繰り返し行うことで
運動能力が育まれていきます。
さらに9~11歳の「ゴールデンエイジ」になると
プレゴールデンエイジで培った基礎的な運動能力を活かして
より高度な運動やスポーツにつなげていく時期となります。
幼児期に身体を動かす機会をつくり、多種多様な動きを繰り返し行うことで
運動神経が養われていきます。
気になるお教室は体験レッスンを受けてみましょう
ほとんどの体操教室では体験レッスンを行っています。
気になるお教室があったらまずは体験レッスンを受けることをおすすめします。
体操教室で学べる内容や、講師の指導方法、お子様ご本人に合っているか
お教室の設備など総合的に見てお子様の意見も取り入れながらお教室を決定するようにしましょう。